家を売る前に絶対知っておきたい注意点|トラブル回避のコツ

不安がいっぱいの家の売却、注意すべき点とは

その人にとっての資産ともいえる「家」ですが、家の売却を考えた場合に想定していたよりも低い金額を提示されたケースもあります。また「家の売却で失敗した」という体験談を耳にして、不安でいっぱいになっている人も多いのではないでしょうか。

家の売却において、必ずおさえておきたい注意すべき点をまとめました。家を売ることを決めている人も、売るかどうか迷っている人も、売却前にしっかりチェックして、売却の不安を軽くしていきましょう。

家を売る際の注意点

家を売る際の注意点は、大まかに分けると5つあります。家そのものや売却前に知っておきたいことのほかにも、業者の選び方、費用、そして契約を結ぶときの注意点を紹介します。

種類 注意点
物件そのものに関すること
  • 購入時の登記内容と現状の変化をチェック
  • 家の建て直しが不可能な可能性をチェック
  • ローン完済までの費用をチェック(抵当権がある場合のみ)
  • 更地やリフォームの可能性をチェック
売却前に関すること
  • 今の家の相場をチェック
  • 売却までの目安をチェック
  • 早く売りたい人は「買取」もチェック
業者選びに関すること
  • 自分の家に合う媒介契約をチェック
  • 担当者をチェック
費用に関すること
  • 家を売ること自体にかかる費用をチェック
  • 仲介手数料をチェック
  • 印紙税・登録免許税・譲渡所得税をチェック
  • ハウスクリーニング費用をチェック
  • 測量の有無をチェック
売買契約時に関すること
  • 白紙解除になるケースがあることをチェック
  • 契約を解除する可能性がないかチェック
  • 瑕疵担保責任についてチェック

物件に関する注意点

まず、あなたは自分の売りたい家について、どのくらいの情報を持っているでしょうか。売買の際には家の住み心地など、住んでいるからこそ知っている情報だけでなく、家の現状と購入時との違いを法律上や書類の上でも明確にすることがとても大切です。

リストにも挙げたように、購入時の登記内容と現状の差を知る必要があります。たとえば、家の土地が年月を経て隣家との境が曖昧になったり、増改築の履歴が反映されておらず実際の床面積が異なったりするケースがあります。古い家は持ち主の情報が変わっていないこともあるため、注意しましょう。

また建築に関わる法律が変わったことで、一度建物を壊すと次に建てる家のサイズが今より小さくなってしまうこともあります。すると家を買いたい人としては、今後の家のサイズを考えて、安い金額で売るよう交渉してくることも多くなります。

住宅ローンを設定してある場合は、抵当権を抹消しないと売れないため、完済することが条件の1つに含まれます。売買金額をローン返済に充てる方法もありますが、安く売れる可能性を考慮して、完済できる資金計画も同時にたてておくことが大切です。

売却前の注意点

注意点として、自分の家の価値を知ること、そして売却までの期間の目安を知っておくことの2点を優先しましょう。理由は、家の価値を知ることは家を売り出す時の売却価格に繋がり、売却までの期間は今後の家を売るための行動プランにつながるからです。

今の家の価値がどのくらいなのか、同じ地域の似たような物件の相場を自分で調べておく事が大事です。何故かというと、家は毎年少しずつ劣化するからです。つまり家の価値は年々下がるものであり、想定された価格より値段が下がっていることもあります。

また売却期間の目安として、マンションは3か月から半年、一軒家の場合は1年以上売却に時間がかかることがあります。もしより早く家を売りたい、と考えている人は、不動産会社に買取をしてもらうという方法もあるため、合わせて検討しましょう。

業者を選ぶ際の注意点

もうすでに売れる相手が決まっているならまだしも、家を売る際には不動産業者に媒介契約をして買主を探してもらうのが一般的です。この時結ばれる媒介契約は、全部で3種類あります。

専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
媒介契約の有効期間 3ヶ月以内 3ヶ月以内 期間なし(一般的に3か月)
業務の処理状況報告 1週間に1回以上 2週間に1回以上 義務なし
指定流通機構への登録 契約の締結日から5日以内に登録(同法34条の2) 契約の締結日から7日以内 義務なし
ある仲介業者に対して他の仲介業者の存在を通知するかどうか

知らせる必要がある 知らせる必要がある 明示型:通知の必要なし
非明示型:通知の必要なし
複数契約 できない できない できる
依頼主が自ら買主を見つける 見つけてはならない 見つけても良い 見つけても良い
成約に向けた業者の努力 古い物件でもしっかり担当してくれることがある 専属と一般の中間 人気のある物件だと業者同士で高く売れるよう競争し合うことも多い

人気の高い地域にあるマンションや戸建てだと、一般媒介を利用することもあります。しかし、難しいやり取りが一つに絞れる専属専任媒介契約や、ある程度売主も動けて不動産業者にもしっかり関わってもらえやすい専任媒介契約を選ぶ人がほとんどです。

しかし専属専任媒介契約と専任媒介契約は、担当者の腕次第で結果が変わってしまう側面もあります。たとえばやる気が少ない担当者や、その家の特徴に詳しくない担当者だと、高く売れる時期を逃してしまうことがあります。

業者とは直接査定を通してしっかり担当者とやり取りをし、売却価格の理由を話してくれる人、自分が信頼できる人を探しましょう。また大手不動産会社が良いとは限らないため、中堅会社や地域密着型の不動産会社にも査定を依頼して比較することが大切です。

売却にかかる費用についての注意点

家を売ることそのものにかかる費用も、合わせて考えておきましょう。一番大きな費用は、売却価格に応じて異なる仲介手数料です。時には、数十万円以上かかることもあります。ただし不動産仲介業者は、売買取引が成立しなかった場合、仲介手数料を請求してはいけない決まりがあります。

そして税金も忘れてはいけません。売主が必ず支払う税金は、印紙税です。印紙税は売買契約書の正しさや法的効力を証明するために必要な税金で、売却価格で変わりますが1万円前後になることが多いようです。

登録免許税は、物件の情報を登記する際に必要になります。通例として買主側が支払いますが、ローンがあった場合には売主側が負担します。この時の税額は1件当たり1,000円が基本ですが、非常に手続きが難しいために、司法書士に依頼することが多く、その依頼費用として1万~数万円がかかります。

購入時より高い値段で家が売れた場合は、譲渡所得税を支払う可能性があります。しかし2019年現在の不動産事情では、購入時より家が高くなるケースはほとんどありません。ただし、相続した家の場合、いくらで購入したかが分からず、取得費用が不明になって譲渡所得税が発生するケースもあります。

そのほかの費用として、家を売る前に価値を高めるためにハウスクリーニングをしたり、リフォームやリノベーション工事を行う可能性が考えられます。また土地の境界線がはっきり分かっていない場合は、測量を行うこともあります。測量は費用として数十万円、必要期間は2か月以上が目安です。

売買契約に関する注意点

実際に家を買ってくれる人が決まった後も、注意点があります。良くありがちな買主とのトラブルの原因として、物件の瑕疵担保責任と、契約の白紙解除の可能性、売主側から契約を解除する場合の費用が挙げられます。

物件引渡し後、最初から説明されていなかったような不具合があった際には、売主が補修する義務があります。これを瑕疵担保責任と言います。民法上、1年間は買主側は売主へ瑕疵担保責任において対応を要求することができますが、家の古さによっては期間が短くなることもあります。

また買主がローンを組んで家を購入する場合、そのローン審査には媒介契約書が必須です。したがって、家を購入すると決めた時点では、まだローン審査結果が分かりません。しかし融資を受けられない状態で家を購入してもらおうとするのは、非常に難しく、また非現実的です。

したがって、買主がローン審査に落ちた場合に備えて、ローン特約が売買契約に設定されます。これによって、買主がローン審査に落ちた場合、契約は白紙解除となります。これ以外の何らかの事情で買主側が売買契約を解除した場合、手付金という売却価格の10%分について、買主は放棄を行います。

一方、売主側が契約を解除したい場合は、買主へ手付金を返却するのに加え、同額を支払うことになります。つまり、手付金の2倍の額を買主へ支払うということです。売買契約後の契約破棄は相応の費用がかかることを覚えておきましょう。

家を売る際のトラブルを回避するには

大きなトラブルを回避するためには、注意点以外にも2つのコツがあります。

最低限の知識を身に着けておこう

不動産売買において、支払う費用は明確に決まっています。例外はもちろんありますが、不動産業者側はその根拠をしっかりと説明して請求することが大前提です。しかしそうした根拠もなく、支払う必要のない費用を払わされるケースもあります。

売主側は最低限の知識を身に着け、業者の発言は根拠を聞いた上でメモしておくと良いでしょう。おかしい、と思ったら住宅コンサルタントといった不動産売買の専門家や、不動産関係に強い弁護士に相談することをおすすめします。

家の欠陥は予め正確に伝えておく

不動産売買で大きなトラブルとなるものに、瑕疵担保責任が挙げられます。しかし瑕疵担保責任は、事前に家の欠陥を買主に正確に伝え、納得したうえでお互いに契約したのであれば、まず問われない責任です。傷や欠陥は隠さず、売却額に影響するならリフォームして売却することも検討しましょう。

ただしありがちなのは、売買契約が成立し、引っ越しや家の中のものを片付けたことでできた傷を告知しなかったというトラブルです。引き渡しが完了するまで、売主側は住宅の欠陥については報告する義務があるため、しっかり伝えておきましょう。

家を売る際の注意点を予め知って安全な売却活動を

買主と売主、不動産業者、そして家そのものの状態によって、トラブルの種類は千差万別です。あらかじめ注意点を知っておき、可能な限りトラブル回避をして、安全な売却活動を進めていきましょう。そして売却活動に欠かせないパートナーでもある、不動産業者をしっかり選ぶこともポイントです。

不動産業者を探す際には、過去の実績はもちろん、トラブル対応についてもチェックしましょう。また売買契約時の問題についても対応してもらえるような、アフターフォローがしっかりとした業者を選ぶことも大切です。高く売ることにこだわりすぎず、安全性をまず確保することを優先しましょう。