マンション売却で注意すべきこと|価格査定から確定申告までを網羅

マンション売却の売り出しから納税までの注意点を網羅

マンション売却で納得できる結果を出すためには、事前にしっかりと準備することが大切です。売却の流れを理解し、スムーズに行うためにはどうしたらよいのかをよく考えて計画を立てましょう。

売り出しから売却後の納税までの間に、注意しなければならないことがたくさんあります。場面ごとの注意点を知ることが、マンション売却に成功できるかどうかを左右するポイントです。

マンション売却の注意点と成功に導くポイント

マンション売却で失敗しないためには、売却の流れと注意点を知り、事前に対策することが大切です。また、売却を成功に導くポイントも知っておけば、スムーズな手続きと納得できる価格での売却が実現することでしょう。

余裕を持った売却スケジュールを組む

マンションを売却するには、複数の手順を踏まなければなりません。まずは準備から始まります。準備をしてから仲介の不動産会社と契約を結ぶまで、1~3カ月はかかると思っておきましょう。次に売り出しが始まります。そして買主が見つかり売買契約を結ぶまでの期間は、1~6カ月が目安です。

その後、決済をして引渡しを行う期間が1~3カ月程度かかります。売り出してすぐ買主が見つかるとは限りません。場合によっては、さらに期間を要することもあります。

売り急いで損をしないためにも、時間をかけてよい条件の買い手を見つけることが大切です。そのため、マンション売却にかかる期間の目安はあるものの、想定外に期間を要する可能性も頭に入れておきましょう。

なるべくスムーズに売却できるよう、早めに動き、売却スケジュールに余裕を持たせることが大切です。下記のマンション売却の流れを参考にし、余裕を持ってスケジュールを組んでみてください。

  1. マンション価格を査定
  2. 不動産会社を決定し契約
  3. マンションのクリーニングやリフォーム
  4. 売り出し
  5. 内件の対応
  6. 購入希望者と条件交渉
  7. 買主が決定し売買契約
  8. 引っ越しと引き渡しの準備
  9. 決済をして引き渡し
  10. 確定申告をして納税

1~3までは準備から売り出し準備までの段階で、かかる期間の目安は1~3カ月程度です。4~7は売り出しから売買契約を結ぶまでの段階で、かかる期間の目安は1~6カ月程度になります。

8~9の決済と引き渡しにかかる期間の目安は、1~3カ月程度です。その後、翌年の2~3月に確定申告をして、納税します。

信頼できる実績豊富な不動産会社を選ぶ

マンションの売却を何も知らない素人が行うのは簡単ではありません。マンションを売却するなら、プロの不動産会社に仲介を依頼しましょう。

手続き、価格設定、契約に関することなど、複雑なことがたくさんあります。売却に失敗しないために、売却に必要な流れをサポートしてくれる不動産会社選びは重要です。

不動産会社は数多くあり、それぞれに特徴や強みがあります。情報量が多い大手、現地の情報に詳しい業者、マンションの売却実績が多い業者、購入先の物件情報も豊富な買い替えに適した業者など、さまざまです。

そのため、同じマンションの査定を依頼しても、不動産会社により価格査定の結果が異なります。損をしないためには、複数の不動産会社を比較して選ぶことが大切です。

不動産一括査定サイトを利用すると、簡単に複数の不動産会社の価格査定をまとめて比較できます。また、信頼できる担当者がいるかどうかもあわせて確認しましょう。担当者の力や熱意により、売却の成功率が変わります。

売却後に「瑕疵担保責任」が発生しないように気をつける

物件引渡し後に欠陥や不具合が見つかった場合は、売主が補修する義務があります。このことを「瑕疵担保責任」といいますが、これがトラブルの原因になりやすいので気をつけましょう。

瑕疵担保責任に関するトラブルを避けるためには、事前のチェックを十分にすることが重要です。排水などの設備の欠陥がないか、目に見えにくい部分も事前によくチェックしておきましょう。

不動産会社によっては、マンション住宅設備保証サービスがあり、補修費用をまかなうことができる可能性もあります。また、現状売却を基本にし、瑕疵担保責任をなくすことも可能です。

トラブルの原因になる瑕疵担保責任はできるだけなくしたほうが無難なので、不動産会社に相談してみましょう。

売却に必要な書類をしっかり揃えておく

スムーズにマンションを売却するためには、売却に必要な書類の準備は大切です。必要な書類といっても、必ず必要な書類と、売却のためにはあったほうがよい書類があります。

また、価格査定に必要な書類と、売買契約の際に必要な書類とがあり、手続きの段階によっても必要な書類が異なるので注意が必要です。場合により準備する書類が異なるので、その都度不動産会社に確認しましょう。

下記は、マンションの売却に必要な書類の目安です。参考にしながら、早めに準備を進めておきましょう。

書類 補足 取得方法または紛失した場合
価格査定で必ず必要な書類 登記簿謄本(登記事項証明書) 不動産の権利関係や面積の情報が記載されている 法務局または郵送で取得
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 移転登記などに必要な登録免許税の算出や固定資産税の納税額の確認に使用する 紛失した場合は市町村の役場で再発行する
価格査定であったほうがよい書類 ・売買契約書
・重要事項説明書
・図面や設備の仕様書
・マンションの管理規約
・マンションの維持費に関する書類
マンション購入時に受け取っている書類 紛失した場合は不動産会社にコピーがある可能性があるので問い合わせる
売買契約・引き渡し時に必ず必要な書類 本人確認書類(身分証明書・実印・3カ月以内の印鑑証明書) 売主本人の確認書類で、共有名義の場合は共有者全員のものを用意する 印鑑証明書がなければ市町村の役場で発行する
住民票(発行から3カ月以内のもの) 登記した住所と現住所が違う場合に必要 市町村の役場で発行する
銀行口座の通帳 売却代金を振り込んでもらう口座のものを用意する 紛失した場合は金融機関に問い合わせる
ローン残高証明書 ローンの返済中に必要で、残高と返済額がわかるものを用意する 一般的な金融機関は、10~11月頃に発行される
登記済権利証または登記識別情報 不動産の所有者を証明する書類 不動産購入時に法務局で発行されている
売買契約・引き渡し時にあるとよい書類 ・耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書等
・設備に関する説明書
・物件のパンフレット
・その他(売主や物件に関する証明書や説明書など)
買主にとってあると安心する、またはあると嬉しい書類 紛失した場合は不動産会社に問い合わせる

確定申告で必要な書類は、また上記とは異なります。確定申告で必要な書類を知りたい場合は、市町村の役場または税務署に問い合わせましょう。手続きを税理士に依頼する場合は、税理士に相談することで、必要書類の手配のサポートもしてくれます。

マンション売却後の注意点

マンションの売却後は、税金関係での注意点があります。納税や軽減措置のこと、確定申告のことまでしっかりと確認しておきましょう。

税金の特例優遇条件の該当の有無を確認する

譲渡所得が3,000万円を超えなければ、税金を支払わなくてもよい可能性があります。自宅を売却した場合、「3,000万円の特別控除」の軽減措置があるからです。

ただし、特別控除を受けるためには、定められている条件を満たしていなければなりません。条件は細かくあるので、不動産会社に相談し、専門家に確認してもらうことが大切です。

3,000万円の特別控除以外にも、自宅を売却した場合の軽減措置があります。例えば、「10年超所有軽減税率の特例」は、10年超所有していた不動産は譲渡所得の税金の税率が低くなる制度です。こちらは、3,000万円の特別控除と併用できます。

ただし、「住宅ローン減税」は3,000万円の特別控除と併用できないので、新居を購入する際には注意しましょう。譲渡所得が少ない場合は、住宅ローン減税を選んだほうが得をする可能性があります。

納税や軽減措置の計算は慣れていないと難しいので、不動産会社または専門家に相談しながら、手続きを進めていきましょう。

翌年の確定申告の準備をしておく

譲渡所得があった場合も、損をした場合であっても、翌年の確定申告に備えて準備が必要です。直前になって焦ることがないよう、事前に税金の計算をしておきましょう。

 譲渡所得がある場合

譲渡所得がある場合、所得税と市民税の支払いが必要です。事前に納税額を計算し、翌年の確定申告に備えてお金を用意しておきましょう。

所得税は、売却する物件の所有期間に応じて「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分類され、それぞれ税率が変わります。長期譲渡所得は、売却した年の1月1日の時点で所有期間が5年超の場合です。短期譲渡所得は、売却した年の1月1日の時点で所有期間が5年以下の場合を指します。

長期譲渡所得の納税額は「譲渡所得×20%(所得税15%+住民税5%)」、短期譲渡所得の納税額は「譲渡所得×39%(所得税30%+住民税9%)」で求めることが可能です。

譲渡所得とは売却で得た利益のことで、「売却価格-(取得費用+譲渡費用)」で計算します。取得費は、マンションの購入代金やその他にかかった仲介手数料を含む各諸費用のことです。譲渡費用は売却時にかかった各諸費用のことを指します。

長期譲渡所得の納税額=譲渡所得×20%(所得税15%+住民税5%)
短期譲渡所得の納税額=譲渡所得×39%(所得税30%+住民税9%)
譲渡所得=売却価格-(取得費用+譲渡費用)

 譲渡損失がある場合

譲渡損失がある場合も、必ず確定申告が必要です。他に収入がある人で一定の条件を満たす場合は、確定申告して損益通算をすれば、税金が戻ってきます。つまり、マンションを売却した場合は、損得の結果に関係なく確定申告が必要です。

会社員などで所得税から給与天引き(源泉徴収)されている人は、確定申告を忘れがちなので気をつけなければなりません。会社員の人も、マンション売却で譲渡所得または譲渡損得があった場合は、確定申告を忘れずに行いましょう。

譲渡所得がある場合 ・所得税と市民税の支払いが必要
・長期譲渡所得と短期譲渡所得で税率が違う
・所有期間5年超の不動産の売却は税率が低くなる
譲渡損失がある場合 ・損失があっても確定申告は必ず行う
・他に収入があれば損益通算をして税金が戻ってくる可能性がある
・給与天引きされている会社員もマンションを売却したら確定申告をする

注意点を確認してマンション売却をしよう

マンションを売却する前に、注意点をよく確認することが大切です。売却の準備や不動産会社選びから始まり、売却後の納税や確定申告のことまで、注意するべきことはたくさんあります。

価格査定や売買契約のときなど、その都度用意する書類もたくさんあります。書類の取得にも時間がかかることがあるので、早めに用意しておくと安心です。売却の手続きや納税に関することなど、わからないことは不動産会社や専門家に相談しながら進めていきましょう。