家を売るとかかる税金とは|算出方法と特別控除について知ろう

家を売却した時にかかる税金について

家を売却した時にかかる税金は、場合によって金額が変わるので注意が必要です。知識がなかったために後で損をすることもあります。なお、納める税金は計算式に当てはめて自分で計算することも可能です。家を売る前に税金についての知識を深めておきましょう。

家を売却した時にかかる4種類の税金

 

家を売ると「仲介手数料の消費税」「不動産売買契約書に貼る印紙税」「不動産売却で利益が出るとかかる譲渡所得税」「登記申請時に必要となる登録免許税」の4種類の税金を納めます。これらがどのような税金なのか、1つずつ見ていきましょう。

仲介手数料の消費税

不動産会社に仲介を依頼した結果、売却に成功した場合には、「仲介手数料」という報酬を支払います。仲介手数料は、不動産会社が行った売却活動に対して支払う成功報酬です。この仲介手数料には消費税がかかります。

売却したことに対する成功報酬なので、売買契約が成立するまで支払う必要はありません。仲介手数料には法律で上限が決まっており、売却価格が400万円超の場合の上限は、下記の計算式より算出できます。

仲介手数料の上限=売却価格×3%+6万円+消費税

ちなみに、消費税は2019年10月に10%になります。

上記の計算式は、あくまでも仲介手数料の上限を知るためのものです。算出した金額で決まるわけではなく、もっと安くなるように交渉することもできます。

また、成約金額ごとに印紙税も必要です。印紙税の額は不動産売買契約書に記載のある金額によって異なるので注意しましょう。10万円超になる場合、2020年3月31日まで軽減措置があります。詳しは国税庁のサイトで確認しましょう。

契約金額 印紙税(本則税率) 印紙税(軽減税率)
500万~1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万~5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万~1億円以下 60,000円 30,000円
1億円~5億円以下 10万円 60,000円

不動産売買契約書に貼る印紙税

不動産売買契約書には収入印紙を貼らなくてはなりません。この収入印紙がいわゆる印紙税です。貼らないことが税務署に知られた場合、原則として罰金を支払います。

一般的に不動産売買契約書は売主用と買主用に2部必要です。それぞれに署名・押印をし、同一金額の収入印紙を貼ります。印紙税額は成約金額によって決まっており、成約金額が高いほど印紙税も高くなります。

不動産売却で利益が出るとかかる譲渡所得税

不動産売却で利益が出たら、国税である「譲渡所得税」と地方税である「住民税」の納税が必要です。2011年から25年間は「復興特別所得税」も加わっています。

譲渡所得=不動産売却価格-(売却不動産の取得費+譲渡費用)

不動産の所有年数の違いで、所得税と住民税の税率が大きく変わります。

売却不動産の取得費とは、不動産を購入したときにかかった金額および購入にかかった仲介手数料等の費用です。建物の場合、年数が経つと価値が目減りしていくので、所有年数に応じて減価償却も必要です。

土地は年数が経っても価値は目減りしないので、減価償却は建物の場合のみ適用されます。償却率と計算式から算出可能です。減価償却費を算出したら、売却不動産の購入価格から差し引いて売却不動産の取得費とします。売却不動産の取得費がわからない場合は、不動産売却価格の5%です。

減価償却費=建物の取得費×0.9×償却率×経過年数
売却不動産の取得費=売却不動産の購入価格-減価償却費

譲渡費用とは、仲介手数料や印紙税などの不動産の売却の際にかかった費用のことです。また、特例が適用された場合は特別控除を差し引いた金額になります。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除

この金額に税率を掛けて納税します。

登記申請時に必要となる登録免許税

登記申請時には登録免許税を支払う必要があります。登録免許税の税額は利用内容により異なるので注意が必要です。また、利用内容が売却の場合、2019年3月31日までは軽減税率が適用されます。

不動産の所有権移転登記の内容 登録免許税(本則税率) 登録免許税(軽減税率)
売買 不動産価格の2% 不動産価格の1.5%
相続 不動産価格の0.4%
贈与・交換・競売等 不動産価格の2%

 

家を売る時の譲渡所得税がどれくらいになるのか計算してみよう

譲渡所得税は計算式に当てはめて自分で算出することができます。家を売る前に計算してみましょう。

所有期間の長さで税率を算出する

不動産の所有期間の長さは5年を堺に税率が変わります。どのような違いがあるのか知っておくことが重要です。

税率が軽減される長期譲渡所得

不動産の所有期間が5年超であることがポイントです。長期譲渡所得になると税率が低くなります。所有期間が10年超になると、6,000万円以下の部分の税率が低くなることも覚えておきましょう。

下記が税率です。復興特別所得税も加算されています。

  • 所有期間5年超:20.315%(所得税15.315%、住民税5%)
  • 所有期間10年超:6,000万円以下部分は14.21%(所得税10.21%、住民税4%)、6,000万円超部分は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)

税率の高い短期譲渡所得

不動産の所有期間が5年以下になると税率は高くなります。下記の税率には復興特別所得税も含まれています。

  • 所有期間が5年以下:39.63%(所得税30.63%、住民税9%)

所有期間は1月1日が基準となる

譲渡所得が長期と短期のどちらに分類されるかは、不動産の所有期間が5年を超えているかどうかをポイントにします。不動産の所有期間の基準は、譲渡した年の1月1日です。

例えば、不動産を売却した年の1月1日の時点で5年を超えて所有していた場合は長期になります。5年以下であれば短期です。

譲渡所得税を算出する

課税譲渡所得に税率を掛けて税額を算出します。この計算式に当てはまるためには、まず課税譲渡所得を算出する必要があります。その際に建物の減価償却費の計算も必要です。下記の順番で計算していくとスムーズに算出できます。

減価償却費=(建物価格+建物分購入時費用)×90%×償却率×経過年数
課税譲渡所得=売却価格-取得費(購入価格+購入にかかった費用-減価償却費)-売却にかかった費用
税額=課税譲渡所得×税率

計算する際には、税率の違い注意しなければなりません。その違いを知るために、具体的な例を見ていきましょう。

不動産売却の具体例

  • 不動産の売却価格3,000万円
  • 購入価格2,500万円(うち建物価格が1,500万円)
  • 購入にかかった費用75万円(うち建物にかかった費用が45万円)
  • 売却にかかった費用が105万円

上記のケースを例とし、所有期間が3年、7年、12年の税額を違いを比較します。

不動産の所有期間3年の場合

所有期間3年は短期譲渡所得で、税率は39.63%です。

減価償却費=(1,500万円+45万円)×90%×0.015×3=62万5,725円
課税譲渡所得=3,000万円-(2,500万円+75万円-62万5,725円)-105万円=382万5,725円
税額=382万5,725円×39.63%=151万6,100円(100円未満切り捨て)

不動産の所有期間7年の場合

所有期間7年は長期譲渡所得で、税率は20.315%です。

減価償却費=(1,500万円+45万円)×90%×0.015×7=146万25円
課税譲渡所得=3,000万円-(2,500万円+75万円-146万25円)-105万円=466万25円
税額=466万25円×20.315%=94万6,600円(100円未満切り捨て)

不動産の所有期間12年の場合

所有期間12年の税率は14.21%でさらに低くなります。

減価償却費=(1,500万円+45万円)×90%×0.015×12=250万2,900円
課税譲渡所得=3,000万円-(2,500万円+75万円-250万2,900円)-105万円=570万2,900円
税額=570万2,900円×14.21%=81万300円(100円未満切り捨て)

この不動産売買のケースでは、所有期間が長くなるほど数十万円ほど税金が安くなることがわかりました。

  • 所有期間3年の税額:151万6,100円(100円未満切り捨て)
  • 所有期間7年の税額:94万6,600円(100円未満切り捨て)
  • 所有期間12年の税額:81万300円(100円未満切り捨て)

家屋売却で適用される特別控除や特例を知っておこう

特別控除や特例により納税額が安くなることがあります。場合によっては納税の必要がなくなることもあるので、知識として知っておきましょう。

適用される控除や特例について

マイホームを売る前に知っておくべきことは「3,000万円の特別控除」についてです。一定の要件を満たしていると最高3,000万円の控除を受けられます。但し、住宅ローン控除との併用ができないので注意が必要です。要件は細かくあるので国税庁のサイトや税務署でよく確認しましょう。

住み替えをする人は「買い替え特例」についても知っておいたほうがよいです。売った家の譲渡価額よりも買い替えた取得価額のほうが高い場合、課税が将来に繰り延べられて税金の負担が減ります。

買い替え特例と3,000万円控除は併用できません。また、一定要件を満たしていないと適用できないので、国税庁のサイトや税務署で要件の確認が必要です。

譲渡損失が発生した場合の特例

譲渡損失が生じたときの特例もあります。知っておくべきことは、「譲渡損失の3年繰り越し控除」「マイホーム買い替えの譲渡損失の損益通算および繰り越し控除」「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰り越し控除」についてです。

まず「譲渡損失の3年繰り越し控除」について解説します。マイホームの長期譲渡所得で損失が生じた場合、一定の要件を満たせば譲渡した年に他の所得と損益通算することが可能です。控除しきれない損失額は、譲渡の年の翌年以後3年間にわたって繰り越して控除することができます。

「マイホーム買い替えの譲渡損失の損益通算および繰り越し控除」とは、マイホームを2019年12月1日までに売却し、新しくマイホームを購入した場合に適用される特例です。一定の要件を満たせば、譲渡損失を他の所得から損益通算できます。控除しきれない損失額は、譲渡の年の翌年以後3年以内に繰り越し控除することが可能です。

「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰り越し控除」は、2019年12月31日までに住宅ローンがあるマイホームを、その残高を下回る価額で売ったために譲渡損失が生じた場合に適用されます。一定の要件を満たせば、譲渡損失をその年の他の所得から損益通算できます。控除しきれなかった損失額は、譲渡の年の翌年以後3年以内に繰り越し控除することが可能です。

不動産売却でかかる税金を知ってスムーズな売却活動をしよう

不動産売却でかかる税金の中には、軽減措置により税金が安くなるものがあります。他にも、不動産の所有期間で税率が変わるなど、気をつけるべき点がいくつかあることを把握しておきましょう。

このように、税金の知識がないと損をすることがあるので注意が必要です。納税額は計算式に当てはめて自分で算出することができます。事前に税金を把握してスムーズな売却活動をしましょう。