ワンルームマンション売却成功ポイント|価値の計算や手続き解説

ワンルームマンションの市場価値や確定申告の手続きを解説

ワンルームマンション自体の市場価値は、中古市場でもまだまだ根強い人気があり、資産運用などの目的で購入する人も増えています。そのため、できれば高く売りたいと考えている人も多いでしょう。

しかしスムーズに売却するには、今の市場価値の把握や売却後の確定申告や費用についておさえておくことが大切です。不動産業者に仲介依頼をするとしても、最低限の知識を身につければ損をするリスクも減らせます。記事を参考にしながら、ワンルームマンションの売却について考えてみましょう。

ワンルームマンションの価値を計算する方法

まずワンルームマンションの特徴は、次の4つです。

ワンルームマンションの特徴

ファミリー向けのマンションに比べて、専有面積が狭い

似たような物件が多く特徴が少ない

同じ立地条件であれば、ファミリー向けの間取りのマンションよりも低価格

投資目的で購入してもらいやすい

これらの特徴から、同じ立地条件のファミリー向けマンションと比べると、中古の場合、安いもので数百万円台で売りに出されているマンションもあります。また投資目的のワンルームマンションは、賃料と利回りの変動によって価値が決定され、計算式は次の通りです。

ワンルームマンションの価格=賃料収入 ÷ 表面利回り

表面利回りとは「物件価格に対して家賃収入はどのくらいになるのか」という「想定」を計算に利用するための数値です。維持費を含めないため実際の利回りとは異なり、下記の計算式で算出されます。

表面利回り=(年間家賃収入÷物件価格)×100

例として、表面利回りが10%、賃料収入が年間144万円(1か月12万円)だったとすると「144万円÷10%=1440万円」となります。

しかし居住用として使用しているマンションは、周辺の同じワンルームマンションの価格相場によっては、これが当てはまらないこともあります。その場合は、まず同条件のマンションを検索し、売却価格を知って相場を把握するようにしましょう。

ワンルームマンションの売却を成功させるポイント

では、どうすればワンルームマンションの売却を、自分にとって有利な条件で成立させることができるのでしょうか。おさえておきたい7つのポイントを解説します。

ワンルームマンションの売却事例を参考にする

「ワンルームマンション 売却」と検索すると、売却に成功した人の事例を紹介するサイトが複数あります。ここで、不動産業者の販売方法、売却の時期や条件などを見極めることがおすすめです。売却に成功した人の事例として、次の2つを紹介します。

物件の特徴 事例
東京都文京区1K23㎡ 投資用ワンルームマンション専門の業者に依頼。担当者がオーナーも気づかない細かい点まで気を配って対応したことが評価され成約。
東京都世田谷区の築30年の物件 古い物件でありながら、綺麗な状態で傷みがなく、駅から近いという点も良いポイントとなり、希望額での売却に成功。

こうした事例では物件の特徴が詳しく記載されているため、自分の売りたい物件と似たものを探すことで、売った人でないと分からない情報が手に入ります。また事例からワンルームマンション売却に強い不動産業者が分かれば、業者を実際に選ぶ際にも活用できるのがメリットと言えるでしょう。

近隣物件の価格を調べて相場を把握する

物件の相場を知ることは、不動産売却時の基本です。近隣の物件の売却価格をインターネットで調べ、相場を把握しておくことで売却を有利に進めることができます。SUUMOやLIFULL HOME’S、at homeなど掲載情報が多いサイトを利用して、まずは調べてみましょう。ワンルームマンションの場合、同じ階の別の部屋が売られていることもあります。部屋の間取りもほとんど同じであれば、非常に参考になる情報です。どんな売られ方をしているのか、価格はどのくらいかチェックしておきましょう。

複数の不動産業者に査定を依頼する

相場の把握ができたら、複数の不動産業者へ査定を依頼しましょう。不動産業者によって、得意とする物件ジャンルや顧客層が異なるため、査定額に違いが出ます。提示された査定額の中で、相場に見合った適切な価格を提案してくれる業者を選んでいきましょう。おすすめなのは一括査定サイトで、これは複数の業者にまとめて依頼ができるためです。ただし注意点として、営業がしつこい業者に当たるリスクもあります。業者の選別をしっかり行っている一括査定サイトを選びましょう。

査定後、結果が届くと同時に、担当してくれる営業マンから説明があります。このとき、今後仲介をお願いする不動産業者を担当者レベルで判断しましょう。査定額について明確な根拠を持って説明してくれるか、信頼のおける人物であるか、個人の価値観を含めて検討することをおすすめします。

ワンルームマンションの売却に強い業者を選ぶ

不動産業者の選別を行う際に、必ずその業者の得意分野を知っておきましょう。売却実績でワンルームマンションの売却が多ければ多いほど、その物件を売る強みがあると考えられます。またその不動産業者に依頼したオーナーの売却事例、実際の口コミ情報をチェックするのも効果的です。

おすすめは、ワンルームマンションの売買専門業者です。部屋の狭さや築年数など、マイナスポイントが多かったとしても、売り方を工夫して売却に繋げてくれる可能性があります。業者の公式サイトがあるかどうかなど、さまざまな角度からチェックしてみましょう。

リフォームやハウスクリーニングで不動産の魅力を最大限に高める

売却価格に自信がない場合、売却前に資産価値を高めておくことも大切です。例えば、リノベーションやリフォーム、ハウスクリーニング等が挙げられます。綺麗な住宅は買い手に好印象を与え、物件のマイナス面をカバーしてくれます。ただし不動産業者がしっかり決まったうえで、リフォームやリノベーションをした方が良いか相談しましょう。これはリフォームによって費用が高額になる可能性や、リフォームしたとしても賃料上乗せが難しい可能性があるためです。

アピールポイントをしっかりと伝えること

ワンルームマンションは、一番最初に説明したように「特徴が少ない」「専有面積が狭い」といった理由から、高値で売却するのが難しい物件です。そのため、周囲の環境や売却理由などを整理しておくことで、買主へのアピールに繋がります。

居住用の場合にも、住む中で感じた便利な点や物件の良い点を伝えられるようにまとめておくと、いざ買主が内覧(物件見学)に来たときにも活用できます。下記の表に、アピールポイントをジャンル別にまとめました。1つの参考として、自分の物件の良いところを書き出しておきましょう。

ジャンル ポイント
利便性 ・駅からの近さ
・東急東横線・山手線・東急田園都市線など人気路線内にある
・駐車場がある、もしくは近くに駐車場・駐輪場がある
・ゴミ捨てが手軽
安全性 ・宅配ロッカーがついている
・オートロック付き
・防犯カメラ設置済み
居住空間の便利さ ・十分な収納スペース
・バスとトイレが別になっている
・ディスポーザーなどキッチンに最新設備が整っている
個人の生活 ・ペット可
・防音性が高い

タイミングを見極める

投資用のワンルームマンションを高く売却するためには、金利を見てタイミングを見極めることも重要です。低金利のときは投資家の期待する利回りが低くなり、マンションの価格が高くなります。2019年2月現在は国の低金利政策が継続しているため、売り時と言えるでしょう。

しかし一方で、利益が出た場合にかかる税金が高くなるケースがあります。購入したときから数えて、売った年の1月1日時点で保有期間が5年を過ぎていない場合、短期譲渡所得として税率が高くなります。高く売れる可能性があるワンルームマンションの場合は、売った後の税金についても考慮しましょう。

ワンルームマンションの売却時にかかる費用

不動産売却には、手続きに伴う費用の用意も視野に入れる必要があります。ここでは必ずかかる費用と、投資用のマンションの場合にかかる費用について解説します。

マンション売却に必ず掛かる費用

諸費用のうち、必ずかかる費用は仲介手数料抵当権抹消・住所変更にかかる費用印紙税の3つです。

不動産業者に支払う仲介手数料

売却の成功報酬として不動産業者に支払うのが、手数料です。支払うタイミングは、売買契約締結時と物件引渡し完了時に半分ずつ支払うのが一般的とされます。上限が法律で決められており、売却価格の3.24%+6万4,800円です。

たとえば1,000万円のワンルームマンションの場合は「1,000万円×3.24%+6万4,800円=38万8,800円」が仲介手数料の上限です。売却が成立しなかった場合、支払う必要はありません。必ずかかる費用ではあるものの、不動産業者との交渉で減額する、あるいは、0円になることもあります。

抵当権抹消と住所変更に掛かる費用

ローンがまだ残っている場合、売却前に完済し、抵当権を抹消する必要があります。また投資用の物件で、購入後に住所が変わっていた場合、登記簿上の記録変更が必要になります。

どちらも手続きが複雑なことから、一般的には司法書士に依頼することが多く、司法書士の報酬と登録免許税が費用として必要です。司法書士の報酬は一般的に1万~5万円程度、登録免許税は一物件につき1,000円です。

課税文書に対する印紙税

売買契約書には、売却した金額に応じて印紙税を支払う必要があります。印紙税は経済的取引に関する文章の正当性を守ってくれる、さまざまな法律の維持に対してかかる税金です。現在は平成26年4月1日から平成32年3月31日までの間は軽減税率が適応されており、税額は以下の通りです。

契約金額 税額
100万円超え500万円以下のもの 1,000円
500万円超え1,000万円以下のもの 5千円
1,000万円超え5,000万円以下のもの 1万円
5,000万円超え1億円以下のもの 3万円
1億円超え5億円以下のもの 6万円

なお印紙税については、買主側が負担する、売主側が負担するなど、状況によってさまざまです。必ずかかる費用ですが、節約できることもあるため、状況に応じて不動産業者に相談してみましょう。

投資用ワンルームマンションの売却には消費税がかかる

居住用ではなく、投資目的の物件を売却した際の代金には消費税が課税されます。ただし免税事業者に該当する場合は納税の必要はありません。免税事業者とは、マンションを売った年の2年前の課税売上高(税金がかかる売り上げ)が1,000万円以下の個人事業主や法人です。

また「個人が居住用として売却する」場合は消費税はかかりませんが「住んでいたマンションを賃貸にする」場合は納税義務が生じます。注意点として、仲介手数料はどんな人でも消費税が課税されます。投資目的の場合は、税制に強い不動産業者を選ぶことも重要です。

売却益が出た場合に支払う税金

マンションの売却によって利益を得た場合は、その利益に税金が課されます。譲渡所得税と言い、次の計算式で算出される譲渡所得に対してかかります。

「譲渡所得」=「売却代金」-(物件取得費+譲渡費用)
譲渡費用 売却するためにかかった仲介手数料、印紙税、登録免許税、司法書士の費用など
取得費用 売却したワンルームマンションの購入代金、購入する際にかかった登録免許税、不動産取得税、印紙税、仲介手数料など

ポイントとして、ワンルームマンションを購入したときより安く売れた場合は、譲渡所得税はかかりません。また利益が出た場合でも、個人が居住用として売却した場合は、確定申告をすることで利益から3,000万円を特別に控除できる特例や、買い替え特例などが使えます。

そのため、譲渡所得税がかからないことがほとんどです。ただし投資用目的の売買は、3,000万円の特別控除など特例が使えないため、注意しておきましょう。

ワンルームマンション売却後の確定申告

売却の諸々の手続きが済んでも、安心してはいけません。最後に、確定申告をきちんと行わないと、税金が多くかかりすぎてしまうことがあります。

売却益が出たら確定申告が必要

マンションの売却で利益を得た場合や個人事業主、法人として売却した際には確定申告が必要です。売却益が出なかった場合は、税金が課せられないため確定申告は不要とは言われます。しかし個人の売買でも譲渡損失が出た(損をした)ということを申告しないと、特例が使えないことがあります。

申告時期はその年の土日祝日の兼ね合いで変動しますが、売却した翌年の2月16日~3月15日となることが一般的です。この時期を過ぎてしまうと、法定納期限翌日より遅滞税が課せられるため、しっかり確定申告の用意もしておきましょう。

確定申告の必要書類

確定申告に必要な書類の中には、各種領収書やそのワンルームマンションを購入したときの契約書などがあります。確定申告をしない場合も「確定申告をしていないのはなぜか?」と税務署から確認の問い合わせがある際に備え、下記の必要書類はしっかり保管・取得しておきましょう。

必要書類 入手場所
不動産購入時の売買契約書 契約時に入手
不動産売却時の売買契約書 契約時に入手
各種領収書(不動産仲介手数料や収入印紙代などの領収書) 不動産会社とのやり取りなどで入手、コピーを取っておくとベスト
源泉徴収票 会社に勤めている場合
除票住民票 市区町村役場
確定申告書(譲渡所得の内訳書、分離課税用の確定申告書、確定申告書B) 郵送、管轄国税局でもらう、e-taxの利用

確定申告書の作成方法

確定申告書の作成方法は2つあります。

  • 自分で作成する
  • 税理士に依頼する

国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」の手順通りに作成すればよいため、ほとんどの場合は自分で行います。役所の無料相談会を活用し、税理士に相談して作るとより正確です。税務署でも丁寧に教えてもらえますが、確定申告の期日が近いと混むこともあります。

時間がどうしてもない場合や取り扱う額が大きく不安な場合は、税理士に依頼するという方法もあります。10万円前後の費用を含めても利益が出るなら、地域の信頼できる税理士へ依頼してみましょう。

ワンルームマンションの売却を有利に進めよう

不動産売買を有利に進めるポイントは、知識の有無です。自分の大切な財産だからこそ、損をせず売却するために、所有するワンルームマンションの特徴や売却価格、税金、不動産業者について妥協せず情報を集めましょう。特に不動産業者の良し悪しは、ワンルームマンションの売却を有利に進められるかどうかの鍵となります。財産を任せるに値する業者を探していきましょう。