投資用マンションの売却の流れや税金などの基礎知識を徹底解説

投資用マンションの売却方法や費用を確認しよう

「投資用マンションを売却したいけど、売却方法がよくわからない」「売却したらいろいろ費用がかかるって聞いたけどその費用っていったい何?」など売却に対してよく理解をしていない人も多いと思います。

投資用マンションを売却すると、税金や諸費用などがかかってきます。その費用や売却までの流れについて解説していきます。

居住用マンションと投資用マンションの売却の違い

居住用マンションと投資用マンションでは査定方法や求めるものがちがいます。その違いを説明します。

査定方法が異なる

投資用マンションの査定方法は、居住用マンションの査定方法と異なります。投資用マンションの場合、収益還元法という査定方法を用いられます。
収益還元法とは不動産が将来生み出す収益の想定価値を、現在の価値に置き換えて価格を決定する手法で、物件の収益力が価格に大きく影響を及ぼします。
計算式は「収益還元法査定価格 =(想定年間賃料-固定資産税等の年間出資額)÷ 想定利回り」です。

買主が求めるものも異なる

居住用マンションの場合、買手は日当たりや収納など自分が住む際の快適性を重視して物件を選びます。しかし投資用マンションの場合、利回りが重視されます。

買主は将来的なことを考えて購入を検討しなければいけません。マンションは築年数が経つにつれ劣化してきます。家賃はだんだん下がっていき、さらに空室をなくすためにリフォームも必要になってきます。こうしたリスクのことも考えておかなければいけません。

投資用マンションの売却のタイミング

投資用マンションを売却する際は、どのタイミングで売りに出すかということが重要となります。
売却するのに良いタイミングがいくつかあります。まず所有期間が5年経過した時です。所有期間が5年過ぎると譲渡所得が安くなります。
次に築10年のタイミングです。築10年を過ぎると、設備の交換が必要になったり、劣化によって家賃を下げなければならなくなったりします。築10年までは入居者がつきやすく、安定した家賃収入が得られます。そのため利回りが良い状態で引き渡すと、高値で売却することができます。

さらに確定申告の期限である12月に売却すれば、儲かっている不動産投資家からの需要があるため、売却しやすいです。
銀行融資が出やすいタイミングで売却すれば、高く売却できる可能性があります。

投資用マンションを売却する流れと期間

投資用マンションを売却するのにどのようなことを行うのかや売却までにかかる期間を説明します。

売却までに掛かる期間の目安は2ヶ月から4ヶ月

マンション売却にかかるまでの期間は、おおよそ2~4ヶ月が一般的な目安です。この期間にいろいろなことを行います。

まず売却するマンションを、いくつかの不動産業者に査定をしてもらいます。次に不動産業者を決めて、媒介契約をします。そして契約した不動産業者が物件の広告などを出したり、関心を持った人を売り出し物件に連れて行くなど売却活動を行います。この売却活動にかなりの時間がかかります。買主が見つかり、契約して名義変更などの行い、引き渡しが終われば売却終了になります。

買主が見つからない場合契約がさらに売却が長期化することがあります。

投資用マンション売却の大まかな流れ

マンション売却の流れは大きく1.価格査定、2.売却活動、3.契約・決済の3つのステップに分けることができます。

1.価格査定…不動産の一括査定を行ってくれるサイトなどを利用し、高額で買い取ってくれそうな業者を探します。いくつかの業者に絞り込み、ヒアリングや資料を基に机上査定をしてもらいます。さらに現地調査をしてもらい、実査定額を算出してもらいます。

不動産会社が決まれば媒介契約を結びます。

2.売却活動…不動産会社は売却依頼を受け、売買物件を広告などを出して積極的に売り出します。こうした売却活動は依頼主に報告されます。

購入希望者が現れると、価格についてなどの交渉が始まります。

3.契約・決済…購入希望者が契約条件に同意したら、売買契約の手続きをします。契約書を交わし、手付金を受け取り契約を締結します。

引き渡しまでに抵当権の抹消手続きや他の書類を準備します。登記の申請や固定資産税の清算などの手続きを行い、物件の引き渡しが終われば売却が完了です。

投資用マンションの売却に必要な書類

投資用マンションの売却を決めたら、準備しておかなければいけない書類がいくつかあります。その書類について説明します。

売主があらかじめ準備する書類

マンションを売却するときに必要な書類があります。マンション購入時に受け取った書類もありますが、なければ管理会社などで再発行してもらう必要があります。書類によっては法務局や、市区町村役場で取得するものもあるので準備に時間がかかります。

必要書類 取得方法
身分証明書 免許書や保険証
権利証・登記識別情報 不動産を購入した際に受け取ります。
登記簿謄本 法務局で取得できます。
実印・印鑑証明書 印鑑証明書は実印と印鑑登録証明書は最寄りの市区町村で取得できます。
マンションの管理規約 マンション購入の際に受け取ります。
マンションの維持費等の書類 マンション購入の際に受け取ります。
固定資産税納税通知書 毎年4月あたりに届きます。
購入時の売買契約書 マンションを購入したときに発行されたものです。
地積測量図 法務局で取得できます。
建物図 法務局で取得できます。
建築統計図書・工事記録書 管理会社または管理組合で取り寄せます。

必要となるタイミング

書類によって用意するタイミングが違います。不動産会社に査定してもらう前に用意するものは、身分証明書、登記簿謄本、実印、印鑑証明、住民票(現住所と登記上の住所が異なるとき)、マンションの管理規約、購入時の売買契約書、地積測量図、建物図、建築統計図書・工事記録書です。印鑑証明書は発行してから3カ月以内のものしか有効期限がないので、注意しましょう。住民票も同じです。

次に売却までに用意する書類は、権利証・登記識別情報、マンションの維持費等の書類、固定資産税納税通知書です。
査定も売却もスムーズに行えるようにあらかじめ必要な書類を分けて用意しておきましょう。

投資用マンションの売却に掛かる費用と税金

売却するときに仲介手数料などの諸費用や税金がかかってきます。その費用にについて説明します。

必ず掛かる費用

マンション売却時に必ず支払う必要がある費用は以下の通りです。

仲介手数料(売買価格×3% + 6万円 (+消費税))
・登記費用(1000円+司法書士の報酬)
・印紙税
・一括繰上返済手数料

<仲介手数料>不動産会社に支払う手数料のことです。売却の価格によって手数料は異なります。

売却価格 仲介手数料+消費税 売却価格 仲介手数料+消費税
3000万円 103万6800円 7000万円 233万2800円
4000万円 136万800円 8000万円 265万6800円
5000万円 168万4800円 9000万円 298万800円
6000万円 200万8800円 1億円 330万4800円

上の表は宅建業法で決められた上限の金額なので、必ずこの手数料とはかぎりません。

<登記費用>司法書士の報酬は事務所によって異なりますが、おおよそ2万~3万円ぐらいです。

<印紙税>売買契約書に記載された金額の印紙を貼り、消印して納税します。

契約書記載金額 印紙税額 軽減された税額
1万円未満 非課税 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 1万円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超1億円以下 6万円 3万円
1億円超5億円以下 10万円 6万円

<一括繰上返済手数料>

繰上返済手数料は残っているローンを一括で繰上返済を行うと、発生する手数料です。この事務手数料の金額は金融機関によって異なりますが、平均して2~3万円程度が相場です。

リフォーム費用等が掛かることも

マンションを売却するには、リフォームやハウスクリーニングを行っている方がいいでしょう。その分費用がかかりますが、メリットもあります。買主候補の人たちはきれいな状態の物件の方に目がいきます。リフォームやハウスクリーニングを行えば、物件の第一印象がよくなります。さらにリフォームなどにはお金がかかることは、買主候補の人たちもわかっているので、わざわざお金をかけてきれいにした売主に対しての印象もよくなります。物件の印象も売主の印象もよくなれば、売却しやすい状態になります。

投資用マンションの売却には消費税が課される

売主が個人であっても、居住用の自宅ではなく、投資用マンションを売却した際は、売却代金に消費税が課されます。課税対象となるのは建物部分のみです。2年前の課税売上が1,000万円を超えていない場合は非課税です。

課税売上が年間1,000万円を超えた場合、売却益が出たかどうか関係なく消費税が課せられます。

利益が出た場合は所得税と住民税が課税される

売却によって発生した利益を譲渡所得といい、所得税と住民税が課せられます。譲渡所得は、売却不動産の取得費に譲渡費用を加算した額を、売却金額から差し引いた額のことです。これで利益が発生すれば税金が課せられますが、損失の場合は税金は課せられません。
譲渡所得 = 売却金額 − ( 取得費 + 譲渡費用 )

取得費とは、投資用マンションの購入代金、購入時の仲介手数料、登記費用、売買契約書の印紙代などのことです。譲渡費用とは、売却時の仲介手数料、登記費用、売買契約書の印紙代のことです。

譲渡所得が発生した場合の税額が計算でわかります。しかし所有していた年数によってちがってきます。マンションを売った年の1月1日の時点で、そのマンションの所有期間が5年を超える場合は「長期譲渡所得」に、5年以下の場合は「短期譲渡所得」になります。税額は長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって変わってきます。

税率

区分 所得税 住民税
長期譲渡所得 15% 5%
短期譲渡所得 30% 9%

税額 = 譲渡所得 × 税率

税額を求めるには、このような計算になります。

売却後は確定申告が必要

売却益がある場合、確定申告をして譲渡所得に対する税金を納める必要があります。損失がある場合は確定申告をする必要はないですが、要件を満たせば給与等の所得と損益通算ができます。税金の還付金を受け取ったり、税金を安くおさえることができるかもしれません。

確定申告は、売却した翌年の2月16日~3月15日までに税務署で行わなければいけません。確定申告を行わないと、無申告加算税が課せられます。さらに延滞税も発生します。延滞税は納付期限翌日から納付した日までの日数で決まります。

確定申告に必要な書類

確定申告に必要な書類は、譲渡所得の内訳書、確定申告書B様式、分離課税用の確定申告書、売買契約書、登記簿謄本、仲介手数料などの領収書、売却した建物の全部事項証明書などです。それぞれ取得するところがちがうので、確定申告の期間前に準備しておきましょう。

必要な書類 取得方法
譲渡所得の内訳書 税務署
確定申告書B様式 税務署
分離課税用の確定申告書 税務署
売買契約書(写し) 取得時に取り交わしたものと、売却時に取り交わしたもの
登記簿謄本 法務局
仲介手数料などの領収書(写し) 取得時にかかった仲介手数料や印紙代などの諸費用と、売却時にかかった仲介手数料や印紙代などの諸費用の領収書
売却した建物の全部事項証明書 法務局
徐票住民票 市区町村役場

投資用マンションの売却を成功させよう

投資用マンションの売却を成功させるにはタイミングが大切です。建物が古くなると、修繕費用が発生し、家賃も下がり空室も増えてくる可能性があります。築年数が10年以内だと老朽化はそこまで進んでいないので、空室もそこまでなく家賃収入も安定しています。そのタイミングで売却すれば買主も見つかりやすいです。タイミングも大切ですが、不動産会社の選び方も大切です。売却活動を積極的に行ってくれるところだと、買主も早くに見つかる可能があります。

売却をスムーズにするために、必要な書類をあらかじめ調べて用意しておきましょう。また売却にかかる費用のことも知っておくと、損することなく売却できます。

売却が成功したら、確定申告を行うことを忘れないように気をつけましょう。投資用マンションは高額なお金が動きます。売却の知識を勉強して、利益が出る売却を目指しましょう。