古い家を売るには|古い家を残すべきか解体して更地にするべきか

古い家を売るメリットとは

古い家が「特定空家」になると固定資産税も高くなり、使用しない土地と共に空き家を所有し続けるよりもいっそのこと売りに出して現金化したいと考えるのは自然なことです。

問題は、土地の上に立っている古い家をどうするかということです。不動産業者も現地で現物を見ない限り、当然はっきりとした答えを出すことができません。土地の形や建物が現在の建築基準法と照らし合わせて査定するために「訪問査定」をする必要があります。ここでは、古い家を売るときに必要な流れを解説します。

解体して土地のみにする・解体しないで古家付きで売る

古い家を売却する時の悩みとしては、建物をそのままにしておくか、解体して更地にするかのどちらにするかではないでしょうか。どちらにもメリットがあり、迷うでしょうが、自分だけで決めずに、不動産業者と話し合って、決めたほうが良いでしょう。場合によっては建ぺい率や容積率、高さ制限なども関係してきます。

解体して更地にする場合のメリット

購入希望者が増える可能性がある

古い建物をそのままにしておいて売却するより、買い手が広がる可能性があります。古家では住宅にしかならない可能性がありますが、更地にしてしまえばそこに飲食店やオフィスビルなどの店舗を建てる用地に転用できる可能性があります。そのため、住宅を探している人のみならず、商業用地を探している人の目にも留まる確率が上がります。

ただし、例えば郊外の住宅街などは、あまり商売に向いているとは言えないため、都市の中心部や、大きな駅の近くといった条件の良い土地を所有している必要があります。

古家と周りの環境があまりにも違う場合

古家のまわりが、昔は住宅地だったのに現在は商業ビルや飲み屋が立ち並んでいる、歓楽街や商業施設になっているような場合も古い家を解体して更地にすることをおすすめします。

このような場合、買い手はお店を構えたり、ビルを建てたり、商業用として活用したいでしょうから、家の存在が逆に土地の価値を下げてしまう危険性があります。思い切って取り壊してしまったほうが良い結果になるでしょう。

物件に問題があるかもしれない場合

事例
古い家を所有しているが、まだ住居用として活用できる見込みがある。購入して居住することを検討したが、シロアリが発生している・土台が傾いている・あるいは雨漏りがひどいなどの隠れた瑕疵がある

上記の事例の場合、瑕疵担保責任が問われます。この責任は「無過失責任です」のため、万が一、売主がその事実を知らなかったとしても瑕疵担保責任を問われます。

そうなると、最悪の場合契約の解除ということになってしまうため、そういった懸念点がある物件は最初から取り壊して更地にして売却することを検討しましょう。すると建物についての瑕疵担保責任を問われることは無くなります。

1.2解体せずに古家付きのまま売るメリット

既存不適格や再建築不可の建物付き土地が住居用として売れる

既存不適格物件とは、建築された当初の建築基準法に沿って建てられた物件のため、その後に法律が改正されたことにより基準から外れてしまった建物のことを指します。建築時は法に沿って建築されているため違法ではなく、法改正があった後もそのまま存在していても違反にはなりませんが、建て替えるときには現行の法律に従うことが必要な建物です。

再建築不可の建物とは、前面道路が建築基準法上の道路であり、道路に接している部分が2m以上の土地を指します。再建築は可能ですが、基準に適合しないと再建築不可となります。

それらの建物を売買し、古い家を解体してしまうと、二度と建物を建てることができません。既存不適格物件では、建築できても元の建ぺい率や容積率で建てることができず、家が狭くなってしまいます。それを回避するために、古い家を残しておき、大規模なフルリフォームやリノベーションで対応することがあります。そのためには古い家を残しておく必要があります。

建物があれば買主は住宅ローンを利用できる

土地のみの売買では、金融機関から住宅ローンを借りるのが難しい場合があります。例え古い家でも、建っていることにより、住宅の売買とみなされて住宅ローンを借りる事が認められやすくなります。古い家でもまだ住めそうな住宅の場合は、買主の事情を考慮し、むやみに建物を解体しない方が良いでしょう。

更地にしてしまうと税金が高くなる

住宅が建っている土地の場合は、固定資産税が「住宅用土地の特例」として最大6分の1に減額されます。それを古いからと言ってすぐに更地にしてしまうと、住宅用土地の特例が適用されなくなり、最大で6倍まで固定資産税が跳ね上がってしまいます。

更地にしてから売却までに時間を要するとなると、固定資産税が毎年高い額のままになってしまいます。買主も商業用地として取得したならともかく、居住用として購入したのであれば新築の建物が建つまで高額な固定資産税を払わなくてはなりません。そのため、このような場合は、買主の意向を聞いてから更地にするかどうか決めましょう。

解体すべきか、残すべきか、不動産業者に相談

まずは、土地の相場をご自身で調べてみてください。不動産の査定ならば、インターネットの一括査定サイトで簡単に行うことができます。

それと、実際の売却成立価格は「レインズ・マーケット・インフォメーション」というサイトに記載されています。ただし、近場に売買が成立した事例が無ければ記録はありませんし、土地がどんな形状だったのか、といった詳細までは記載されていません。

重要ポイント
1.更地か古家を残すか相談
2.相談は不動産業者にする
3.不動産業者は一括査定で

解体の場合の費用は?

建物を解体する場合、住宅地や通学路などの条件で大幅に価格が変動します。解体業者の保有する重機やトラックによっても値段が変動してしまうため必ず見積書が必要です。

解体費用の違いはどこから生まれるか

古い家の解体でも、いろいろな理由で解体費用は変わります。

建物撤去費用 建物の構造が「木造」または「鉄骨鉄筋コンクリート造」かによって金額が変動する。木造の方が解体が簡単なため費用を安く抑えることが可能
廃棄物処理費用 アスベストなどを含んだ廃棄物がる場合は割高になる
付帯工事費用 建物の庭に庭石・植栽・ブロック塀などがある場合は撤去対象となる。住宅密集地の場合は養生の範囲が広くなるためその分の費用が発生する
諸費用 道路が通学路の場合はガードマンの配置が必要になったり、道路使用許可証を取る必要があったりした場合に発生する費用

同じ面積の建物でも、2倍ほどの差が付くこともあります。後は、全く同じ建物でも3割以上差が出ることがありますが、これは「業者の得手不得手」「安い廃棄物処分場を知っているかどうか」「重機・トラック・養生資材などを保有しているかどうか」などの条件によって変動します。

安い解体業者ならいいのか?

想定されるトラブルの事例

1.解体資材が大量に残っている

2.注意散漫で隣家に傷を付けてしまった

3.廃棄物を適正に処理せずに山の中に捨てる

4.住宅地にも関わらず適切に養生を行っておらず埃まみれになった

5.役所に適正な届け出をしていなかった

相見積を取り、1円でも安い業者ならいいのか、というとそうではありません。上記の事例のように、トラブルに発展する可能性があります。都道府県庁か市区町村役場で過去の違反事例を調べるなど、注意して業者を選定することが必要です。

2.3解体しないと値引きの材料にされる可能性も

古い家付きで土地を売却する場合、建物が不要な場合は買主が解体することになりますが、その解体費用分の値引きを交渉の材料にされる・あるいは売主の手で解体後に引渡しを求められることがあります。事前に解体費用を調べておかなければ交渉時に実際に発生する解体費用より値引きしてしまう可能性があります。建物の解体費用も査定を行い相場を調べるのが賢明です。

重要ポイント
1.解体費用は相見積が必要
2.安い悪徳業者にも注意
3.解体費用も査定を取る

古い家も見直されている

古民家と呼ばれる物件は貴重なため、できればその特徴をアピールして売却価格を上げる方向に持って行った方が良いケースです。リフォームは、費用に見合っただけの売却価格になるとは限らないため、そのまま売りに出した方が良いでしょう。

古民家は手を付けない方がいい

古民家は希少価値が高いため、それだけでアピールポイントになります。銘木の梁・無垢の板張り・しっくいの塗り壁などがあれば、雰囲気は伝統的な家屋になります。「多少リフォームしたい」程度であれば、電気系の設備がおすすめです。都市部の場合は40Aほど必要であり、都市でも地方でも無線LANを付ければパソコンやスマホが便利に使えます。

水回りは手を付けない方が無難です。近代的なユニットバスに改造する、もしくは昔ながらの五右衛門風呂などという選択は、買う人の好みによって変わってしまうため、売却できる確率を下げてしまう危険があります。都市部では古民家風店舗としても需要があります。

築年数によってはそのまま売りに出した方が良い場合も

木造家屋では、築20年以上経つと、資産価値はゼロになります。人が住んでいる住宅は20年ほど経っていても充分に居住可能な状態です。それを資産価値がないからといってただちに解体するのではなく、中古住宅でも需要があることを理解し、まだ住める家が安く買えるというところに価値を見いだす買い主もいます。

解体を考える築年数は、旧耐震基準の昭和56年(1981年)6月以前に建築確認を受けた建物は耐震性が劣るため、それ以前に建築された建物については解体を検討しても良いでしょう。

構造がコンクリート造などであれば、きちんと管理・修繕されていれば30年以上は持ちます。そのため、古くてもただちに解体せず、土地付き建物として売り出してみて、売れなければ解体を検討することをおすすめします。

築20年以上でも売却前のリフォームはNG

建物の価値を高めるため、売却前にリフォームしようとする人がいます。確かに綺麗な家の方が見た目はいいでしょうが、リフォームにかかった額だけ売却代金に上乗せできるとは限りません。

浴室、風呂、トイレなどの水回りだけでもリフォーム費用は大体300万円以上かかります。それをそのまま上乗せできるかというと、いくらリフォームしても古い家という評価は変わらないので、価格の上昇は微々たるものにしかなりません。そのため、リフォームはせず売りに出した方が良い結果となります。

重要ポイント
1.古民家は手を付けない
2.古くてもそのまま売る
3.売却前のリフォームは駄目

 

売却を依頼するのは仲介業者か買取業者に依頼か?

不動産の売却を依頼する際、仲介といって個人の買主を探してもらうタイプの契約を結ぶケースがほとんどです。その他にも不動産の処分には「買い取り」といって不動産業者に買い取ってもらう形式もあります。買取はすぐに売却が成立するのが特徴です。

仲介業者に依頼した場合

仲介業者に依頼した場合は、買主を探して売却することになるため、まずは買主が現れるのを待つ必要があります。買主がすぐに見つからない場合は、時間を要するということも覚悟しなければなりません。仲介手数料を支払う必要がありますが、物件の相場くらいで売却できる可能性が高いです。瑕疵担保責任を問われる可能性がありますので、心配なら保証を付けるか調査をしてもらうことをおすすめします。

買取業者に依頼した場合

1カ月以内には買い取りをしてもらう事が可能です。瑕疵担保責任は不動産業者が買主になるため、免除されて仲介手数料も不要です。不動産業者は、その買い取った土地に新しく建物を建てるか、古い建物がまだ使える状態ならリフォームやリノベーションをして売りに出します。

欠点は、買取価格が相場より低くなってしまう点で、高くて7割~8割、安くて5割ほどになってしまいます。買取業者は買い取った土地建物に手を入れて高く売れる物件にして売り出すので、どうしてもその費用の分が引かれてしまいます。

その代わり買主が現れなくてどうしても売れないということは無くなります。築年数の経った建物は売りずらいため、その場合は買取業者に依頼することもあるでしょう。

買取保証の場合

買取保証とは、一定の期間中に仲介業者として買主を探し、買主が見つかったら仲介手数料を支払って買主に売り渡します。さらに規定の期間を過ぎても売れなかった場合に不動産業者が買い取る方式です。

買主が現れたら相場に近い値段で売ることも可能であり、万が一売れ残ったとしても不動産業者が買い取ってくれるため現金化できないという心配は無くなります。

重要ポイント
1.仲介に出す時は解体しない
2.買取はすぐ買取ってくれる
3.迷うなら買取保証で

不動産の売却は信頼できる不動産業者で

不動産は出来るだけ多くの会社に査定をしてもらい、価格を比較すべきです。それが簡単に出来るのがインターネットの一括査定サイトです。現物を見て判断をしてもらわなければならないことには変わりありませんが、大体の売却価格をネットを利用して把握しておきましょう。