家の売却は何から始めるべき?流れと実費を掴んで計画を立てよう

家を売るために何から手をつけるべきか悩んでいませんか

家を売るためには事前に売却がどういう流れで進んでいくのか、それにかかる期間ここを見誤ると、想定より家が安く売れてしまった、書類集めに苦労して売却まで時間がかかったなど、損をしてしまうかもしれません。売却の流れや費用がどれくらい必要かなど、基本的な知識を持っておくことが大切です。

ここでは、家を売却する時の流れや必要な書類、かかる可能性の高い費用、売却後の確定申告などを解説します。基礎知識を把握して、損をしない売却を目指しましょう。

家を売却する時の流れ

完全に家を手放し、相手に引き渡すまでにかかる時間は一般的には3~11ヵ月と言われています。つまり、スムーズに売却できたとしても3か月以上の準備期間が必要です。また家によっては土地の広さや家の取り壊しを必要とするため、より時間がかかる可能性もあります。

下記はそうした土地の広さの再確認などが不要で、スムーズに取引が進んだ場合の流れと期間です。

不動産売却の流れと期間

・売却したい家の相場を調べる(1~2週間)

・家を売却する方法を決める(1週間)

・不動産会社に査定を依頼する(1週間)

・不動産会社に売買の仲介を依頼する(1~7日)

・購入希望者の内覧対応を行う(1ヵ月~売却者が決まるまで)

・買主と売買契約を結ぶ(1~2日)

・家を買主に引き渡す(1.5~3ヵ月)

 

売却したい家の相場を調べる

売却したい家の価格は、厳密に言うと査定してもらい、買い主と価格交渉を終えるまで分かりません。似たような条件の家を参考に相場を自分で調べることは可能です。相場を知っておくと、売却希望価格が高すぎて中々売却に繋がらない、安すぎて損をするというリスクを減らせます。

家の相場を自分で知るには「売りたい家の近隣の値段を調べる」こと、そして「近隣にある似たような家の過去の取引価格を調べる」こと2つの方法が挙げられます。どれもインターネット上のサイトで無料で調べることができ、全国各地が対象エリアとなっているため、まず取り組むのにぴったりです。

方法 サイト名 対象物件 特徴
売りたい家の近隣の相場を調べる 中古住宅HOME4U マンション、一戸建て、土地 広さや間取りなど細かな違いで平均価格を比較できる
SUUMO マンション、一戸建て 条件指定を細かくでき、地図上での確認や条件の保存が可能で使いやすい
近隣にある似たような家の過去の取引を調べる レインズマーケットインフォメーション マンション、一戸建て 実際にあった取引を知ることができ、直近1年間のリアルな情報が分かる
土地総合情報システム 土地、一戸建て、マンション、農地など様々 実際の取引を経験した人へのアンケートを元にデータベース化されている

家を売却する方法を決める

相場の把握ができたら、次に家を売却する方法を決めましょう。方法は、3通りあります。

  • 個人売却する
  • 不動産会社に仲介してもらい売却する
  • 不動産会社に買取をしてもらい売却する

3通りのうち、最もおすすめなのは不動産会社による仲介です。個人売却は仲介手数料など様々な諸費用がかからない代わりに、手続きを自分で行うため時間も手間も非常にかかります。一方買取は、早ければ2週間ほどで取引が成立しますが、買取額は相場より安くなりがちです。

不動産会社に査定を依頼する

売り方が決まったら、不動産会社に査定を依頼しましょう。相場では分からない家の付加価値や、売ることを考えた際の価格を査定してもらいます。不動産会社が行う査定は、机上査定と訪問査定の2つがあります。

  • 机上査定:基本情報から算出する概算の査定
  • 訪問査定:実際に現地の状況を見た上で出す精度の高い査定

机上査定で6社くらいに査定を依頼すると、相場が比較的簡単に分かります。その中から、よさそうだと判断した不動産会社に訪問査定を依頼し、さらに対応を判断しましょう。ここで注意したいのは、査定額は口頭ではなく、書面で受け取ることです。

書面で受け取ることで、トラブルを避けやすくなります。査定自体は無料のため、様々な会社を受けて相場を確かめ、信頼できる会社同士を比較することが重要です。

不動産会社に売買の仲介を依頼する

不動産会社が決まったら、売買の仲介依頼をしましょう。種類は「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つで、それぞれ不動産会社側への法的な決まり、依頼者側が守るべき条件や行為が異なります。

  一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約期間 行政の指導では3ヵ月以内(原則はなし) 3ヵ月以内 3ヵ月以内
自分で取引相手を見つける できる できる できない
他の業者へ同時に依頼 できる できない できない
報告義務 なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
レインズへの登録 なし 依頼から7日以内に登録、登録済み証の交付あり 依頼から5日以内に登録、登録済み証の交付あり

「レインズ(REINS)」は、国土交通大臣が指定する全国4つの指定流通機構、すなわち(公財)東日本不動産流通機構、(公社)中部圏不動産流通機構、(公社)近畿圏不動産流通機構、(公社)西日本不動産流通機構が運営・管理を行うネットワークシステムです。信頼できる不動産会社が見つかれば、レインズに登録してもらえて自由度が高いことから、専任媒介契約をおすすめします。

一方、なかなか良い不動産会社に巡り合わなかった場合は、一般媒介契約がおすすめです。多くの会社に依頼できるほか、自分でも取引相手を見つけられるため、自分である程度状況のコントロールが可能となります。

購入希望者の内覧対応を行う

媒介契約が結ばれると、購入希望者から問い合わせがあった場合、依頼者側へ連絡が入ります。内覧と言って、購入希望者が実際に家の中を見に来るというものです。この時の印象が悪いと、購入希望者の購買意欲を下げてしまいます

下記にタイミングに応じた内覧前のポイントをまとめました。

タイミング ポイント
内覧前 ・玄関や水回り、庭を綺麗にする
・必要に応じてハウスクリーニングを行う
・良いポイントを事前に10個以上書き出しておく
内覧直前 ・換気と臭い消しを徹底する
・駅までの時間、学校までの距離、日中の騒音の有無など聞かれやすい質問は事前にまとめておく
内覧時

・質問されたら丁寧に答える
・売り込みは不動産会社の仕事と考え、購入希望者の気持ちに立って話しかけすぎないようにする

買主と売買契約を結ぶ

購入希望者側が家を気に入ってくれたら、細かな条件の調整に入ります。大まかな流れは、次の通りです。

売買契約の流れ

・不動産会社に売買契約書を作ってもらう

・宅地建物取引士が重要事項説明書を作成、説明

・買主と売主で1個ずつ条件を確認

・問題なければ双方の署名・捺印を行い売買契約締結

・手付金の支払い

 

加えて契約締結の際には、買主から売主へと手付金が支払われることが一般的です。目安は売買価格の5~10%が一般的ですが、手付金には次のような3種類が存在し、それぞれ意味が異なります。

  • 証約手付(証拠としてもらう手付)
  • 解約手付(解約に備えて用意する手付)
  • 違約手付(債務不履行時の違約金となる手付)

家を売買する際の手付金は、解約手付であることが普通です。買主は手付金を放棄する、売主は手付金の2倍を買主へ支払う、どちらかの方法で契約を解除できます。

家を買主に引き渡す

売買契約締結が済んだら、家を買主に引き渡すための準備に取り掛かります。引き渡しまでの期間は1.5~3ヵ月後が目安となりますが、契約者間で話し合い引き渡しの期日をきちんと決めておくことが重要です。では、引き渡しまでの流れを見ていきましょう。

引き渡しまでの流れ

・決済・引き渡しに当たって必要な書類をまとめる

・司法書士に抵当権抹消登記・所有権の移転登記を依頼する

・土地の測量・境界確認が必要な場合は行う

・新居の購入が必要な場合は購入手続きに入る

・固定資産税や管理費などを日割り計算で精算する

・引き渡し

重要なのは「必要書類の用意」と「抵当権抹消登記・所有権の移転登記」「精算」の3つです。まず書類に不足があると、手続きが進みません。登記を正しく登録することは、今後の取引に必要不可欠です。また精算は法的根拠に基づいていないため、売主側が積極的に要望を伝えても構いません。

不動産会社の担当者からアドバイスを受けつつ、納得のいく取引で終われるようにしましょう。

売却にかかる税金と費用

売却時には仲介手数料の他にも印紙税や登記に関わる費用、売却利益に応じた譲渡所得税など税金がかかります。適切に支払うことでトラブルを回避できるため、相場を知っておきましょう。

不動産会社への仲介手数料

不動産会社に家の売却を仲介してもらった時、契約成立時に不動産会社へ費用として支払うのが仲介手数料です。したがって売却相手が見つからず、契約が成立しない場合は支払う必要はありません。また仲介手数料自体は、法的な上限範囲で不動産会社がある程度自由に設定できます。

家の税込みの売却額に応じて料率が変化するため、税込1,000万円で家が売れた場合の計算例を合わせて表にまとめました。

税込価格(売却価格) 税率 仲介手数料の計算
200万円以下の部分 5% 200万円×5%=10万円
200万円超400万円以下の部分 4% 200万円×4%=8万円
400万円超の部分 3% (1000万円-400万円)×3%=18万円
合計 36万円+消費税

また手軽に計算する方法として、400万円を超え、消費税が8%の時点であれば「売却額×3.24%+6万4,800円」で算出できます。仲介手数料が不当に高くないか、事前に把握しておくと良いでしょう。

売買契約を交わす時の印紙税

家の売却時に必ずかかる税金が、契約書の法的拘束力を保つための税金として納める印紙税です。家の売却金額に応じて印紙税が異なり、売買契約書は売主と買主に1通ずつ必要なため、双方が印紙税を出し合うのが一般的です。

なお平成26年4月1日から平成32年(2020年)3月31日までの間に契約した場合、軽減税率が適応されます。価格に応じた印紙税について、以下にまとめました。

契約金額 軽減税率
100万円を超え500万円以下のもの 1,000円
500万円を超え1千万円以下のもの 5,000円

1千万円を超え5千万円以下のもの

1万円
5千万円を超え1億円以下のもの 3万円
1億円を超え5億円以下のもの 6万円

売却による利益に応じて支払う譲渡所得税

家を売却した際に、売却価格よりも売るまでにかかった費用と購入するまでにかかった費用が少なければ、プラスの利益がでます。この利益に対してかかるのが、譲渡所得税です。

譲渡所得=譲渡価格(売却価格)-(取得費+売却費用)

しかし、利益が出るのは稀です。まず、所有期間中の劣化を考慮した減価償却を家の取得費から引く必要があります。また売る家が相続した家やマイホームであれば、特例を利用して譲渡所得を減らすことも可能です。所有年数に応じて税率も異なるため、正確な譲渡所得税を出すことが大切です。

  所有期間(譲渡した年の1月1日時点の期間)
区分 短期 長期
期間 5年以下 5年超
税率 39.63% 20.315%

抵当権の抹消登記にかかる費用

不動産売却で必須な手続きとして、所有権を買主へ移転する所有権移転登記が挙げられます。しかしこの登記費用は買主側が支払ってくれるため、売主側は必要ありません。

売主側は住宅ローンが残っていた場合にのみ、抵当権の抹消を行います。この手続きは司法書士に依頼することが一般的なため、登録免許税を含めて2~3万円が必要です。自分で行う方法もありますが、トラブルを避けるためにも依頼した方がお得です。

家を売る時に準備が必要な書類

家を売る場合に必要な書類と、家の状況に応じて必要な書類を土地と家それぞれ必要なものを一覧でまとめました。前もって取り寄せるものもあるため、早めに用意しておきましょう。

  書類 内容
必ず必要な書類 身分証明書 本人確認に必須
印鑑証明書 相続している物件なら共有者全員の実印の印鑑証明(3か月以内のもの)
実印 売却する本人の実印、共有者全員の実印
登記済み権利書(登記識別情報) 物件の確認を行うため
固定資産税納税通知書および工程資産税評価証明書 税額の確認を行うため
     
状況に応じて必要な書類 住民票 所有者の登記上の住所が違う場合(3ヵ月以内)
ローン残高証明書、ローン返済予定表 ローン返済中の場合
銀行口座書類 売却額を振り込む書類
土地測量図・境界確認書 土地の広さの確認
建築確認証、検査済み証 建築基準法に適合しているか確認
建築設計図書、工事記録書など 正しく設計・建設されているか確認
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書、地番調査報告書、住宅性能評価書、購入時の契約書や重要事項説明書、パンフレットなど 持っていれば提出

家の売却後の確定申告について

確定申告とは所得税など、1年間の所得に関わる税金を確定し、支払うための手続きです。払いすぎた税金の還付や控除を受けるには欠かせません。

家を売却したら確定申告が必要

家を売却した結果、利益が出ても出なくても、確定申告を行うことをおすすめします。理由は税金の還付や特例適応の条件に確定申告があるためです。利益がマイナスで税金を納めるための確定申告は不要でも、確定申告をしておかないと特例が適応できず、損をしてしまうかもしれません。

売却のためのQ&A

家を売るにあたり疑問になりやすい事柄について回答をまとめました。

一括査定サービスを利用しても営業の電話はかかって来ないのか?

一括査定サービスを利用した後、電話がたくさんかかってくることがあるのは事実です。高く売れた物件ほど仲介手数料も多く請求できるため、不動産会社側としては是非とも魅力的な物件と取引をしたいと考えます。あなたの物件が高く売れそうな好立地の家であるほど、営業は頻繁に行われるでしょう。

ただし一括査定サービスでは、メールアドレスを伝え、メールのみでやり取りしたいと要望を概要欄やコメントで伝えることで営業電話をかけさせないこともも可能です。一方、訪問査定を受けるなら、電話対応から担当者の反応を知ることもできるため、上手に使いましょう。

悪い不動産会社を選ばないためにはどうすればいいのか?

あなたにとって良い不動産会社は、大手とは限りません。中小で地元に根付いて営業している不動産会社なら、あまり売れにくい家でも売ってくれるかもしれません。また一戸建てやマンション、土地など、不動産会社によって得意とするジャンルが異なります。

担当者がどんなふうに物件を売るかどうかがポイントとなるため、担当者に注目して選んでいきましょう。会社の規模よりも、担当者がどのくらいあなたの物件に熱意をもって向き合ってくれるかどうかです。

売却の事を考えると値下げ交渉などにも応じたほうが良い?

値下げ交渉には、ある程度柔軟に応じた方が良いでしょう。ただ希望価格からかけ離れた値下げ交渉をされたら、応じる必要はありません。したがって、見極めるために「売りたい価格」と「最低価格」を決めておくと、対応しやすくなります。

不動産会社の担当者と相談しつつ、売り出し前に相場に見合った最低価格を決めておきましょう。そしてその価格より上で購入が決まりそうなら、思い切って売ることも大切です。

信頼できる不動産会社に任せることが大切

査定額の高さや会社の規模だけで判断すると、不動産会社選びを間違えてしまうかもしれません。実績や営業担当者との相性を、実際に訪問査定で担当者に会った上で、不動産会社を決めることが大切です。家はあなたの財産です。信頼できる不動産会社を見つけ、きちんと売ってくれるように相談していきましょう。